父が胃がんになり、肝臓転移があったことで手術適用ならず、病院での説明を聞かれたときに、返事に困りました。
本人もインターネットで調べていたので、ある程度の知識は持っていましたが、余命1~2ヶ月という医師の宣告に、正直に父に伝えることができませんでした。
また、入院して抗がん剤という話もあったのですが、もう、病院に入院しても抗がん剤の点滴はできないと言われた時に、それを父に説明できず困ったものでした。

父には最後まで、医師との話は伝えませんでした。
自分でももう、死ぬということを理解していましたし、来月は生きていないと口に出していたので、伝えるまでもなく、自分が死んでしまうんだということを理解していたようです。
医師の宣告に、娘の立場で困惑したのは確かです。
それでも、泣いた顔を見せてはいけないと思って、父の前では最後は笑顔でいるように心がけました。
父の前で笑っているということが、どれだけ大変なのかやってみたら、本当に苦しかったですが笑顔を作っていました。

癌という病気になった家族に、治療の変更や入院予定の変更などは、患者である本人が一番気にするものです。
出来るだけ、患者と一緒に居るときには話をせず、時間をずらして医師と会うようにして、病気の進行具合や治療方針などを話し合われた方がいいと思いました。
また、本人に言わなければいけないことを、できるだけ柔らかい言葉に直して伝えてあげる努力、本人との最後の時間をどれだけ笑顔を見せてあげられるか、色々考えることはありますが、考えている時間はありません。
常に優しい気持ちでありたいと思いました。